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歯医者の飛び込みは迷惑?当日診てもらうには
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯医者の飛び込みって迷惑かな?」
「すぐ診てもらいたいんだけど、予約なしでも行けるの?」
内科のクリニックと違い、歯医者は予約が必要なところがほとんどです。歯医者に急に診て欲しい時に予約が無い場合でも、飛び込みでも診てもらえるのでしょうか?
結論から言うと、当日に飛び込みで診てもらうことが可能な場合もあります。しかし、飛び込みでの診療は歯医者側にも患者様側にも問題が出てしまうこともあります。
私は今まで10年以上臨床の場で勤務してきて、予約なしで飛び込みで来院された患者様を何名も見てきましたが、ほとんどの場合できる限りの応急処置になることが多いです。しっかりと治療を進めるには、飛び込みでの来院ではなく予約が必要です。
ただ、痛みなどがあると、応急処置でも良いのでどうしても当日に診て欲しい時もあると思います。
この記事では、歯医者にはなぜ予約が必要か、飛び込みでのデメリット、当日に診てもらう方法を解説しています。
歯医者の予約はなぜ必要か
そもそも、内科などは予約がいらず飛び込みで行くことがほとんどなのに、歯医者はなぜ予約が必要なのでしょうか?
歯医者に予約が必要な理由を解説します。
①診療自体に時間がかかることが多い
時間のかかる理由
内科の場合、診察をして薬を処方するという流れがほとんどで、数分で終わることが多いですが、歯科の場合は治療が必要なことがほとんどなので、数分というわけにはいきません。
1人の患者様の平均治療時間
消毒や抜糸などすぐ終わる処置もありますが、基本的には15〜30分程度かかる処置が多いです。
また、診療台も予約時間の間はその患者様専用になるので、治療中は他の患者様を診ることはできません。
中には麻酔の待ち時間や歯科衛生士を上手く使って、同じ時間帯に数名の患者様を診る先生も居ますが、私が今まで診療に携わってきた中では同時に診るのは2〜3名が限界という感じがします。
どの治療も一定の時間がかかり、一度に多くの患者様が来院しても診ることができないため、スムーズに治療が進められるよう予約制となっています。
②治療を計画的に進めるため
口腔内の状況の確認
小さい虫歯の場合は一回の来院で終わることもありますが、虫歯の治療や歯周病の治療は程度によっては一回で終わらないこともあります。むしろ一回では終わらないことの方が多いでしょう。
検査を行った上で、患者様のお口の中の状態に合わせて治療計画を立て、治療を進めていく必要があります。
治療の内容によっては、被せ物やマウスピースなど作成するのに時間がかかるものもあり、予約の日にちに合わせて計画的に作成しています。
治療計画に必要な検査
治療の内容にもよりますが、虫歯や歯周病の程度を診るためには、レントゲンの撮影による検査が必要です。また、歯周病治療を行うにあたって、歯周ポケットの数値を測る検査も必要になってきます。
③治療の準備片付けが必要なため
治療に必要な機材
歯科の治療では、「基本セット」と呼ばれる診察に必ず使用する器具のセットを患者様ひとりひとりに用意しています。
それに加え、歯を削る器具や詰めるための材料、型取りの材料など、治療内容に合わせて用意する必要があります。
治療の準備内容
前述した通り治療の内容によって準備する機材は変わってきますが、限られた時間内で治療をスムーズに行うため、ある程度治療の流れを予測して機材を準備しています。
偶然立て続けに同じ内容の処置が入ってしまうと、その処置で使用する器具の在庫がすぐに無くなってしまうため、予約で管理する必要があります。
治療後の片付けは「滅菌」することが大切
歯医者では、患者様のお口の中に使用する器具は全て滅菌する必要があります。そのため、用意していた器具の数よりたくさんの患者様が来院してしまうと、使用する器具がなくなってしまいます。また、滅菌をかけるのにも時間がかかるため、ある程度の来院数を把握し器具の準備をしておかなければならないのです。
予約がいっぱいの歯医者だと、スタッフも皆忙しいため滅菌作業のタイミングが遅くなり、器具の在庫がギリギリになってしまうことなどもあります。
滅菌は120〜135度まで温度を上げて行うものなのですが、私は以前器具の在庫がギリギリになってしまった時に、滅菌が終わったばかりの熱々の器具をなんとか冷やしながら使用した経験が何度かあります。
予約制を取り入れていてもこういったことが起こるため、予約なしで診療していたら、すぐに足りない器具が出てきてしまうでしょう。
飛び込みでかかる時のデメリット
歯医者で予約が必要だとわかっていても、どうしても当日診て欲しい時もありますよね。飛び込みで歯医者にかかる場合のデメリットを解説します。
①予約の患者様が優先となるので待つことが多い
歯医者の基本的な待ち時間
治療が予定通りに終わらないこともあるので、多少予約時間とのズレが生じることもありますが、予約している場合であれば、基本的には待っても5〜10分程度でしょう。
飛び込みの待ち時間
歯医者は予約制なことがほとんどのため、事前に予約していた患者様が優先となります。
予約している患者様を時間通りに診ながら、空いたタイミングで飛び込みで来院された患者様を診るため、長時間待たなければならないことが多いです。
中には、偶然空き時間がありすぐ診てもらえる場合もありますが、1時間以上待つ場合もあるでしょう。
②応急処置だけになることがある
応急処置の内容
治療内容にもよりますが、飲み薬の処方や、お口の中の消毒や薬の塗布など、対処療法になることが多いでしょう。
応急処置の治療時間
予約の患者様の治療の合間に診るため、治療時間をしっかり確保することが難しく、通常の診療のようにしっかり診れないことが多いです。
そのため治療の続きを進めたい場合は、飛び込みではなく予約をして治療時間を確保する必要があります。
どうしても当日診てもらいたい場合は?
いつもしっかり予約を守っている方でも、急に歯が痛くなって、どうしても当日に診てもらいたい時もあると思います。その場合どのように行動したら良いかまとめたので、参考にしてみてください。
①電話で当日予約をする
電話の必要性
飛び込みで歯医者に行くのではなく、事前に必ず電話をしましょう。
場合によっては、数時間かかるオペなどの処置が入っていたり、どうしても対応できない時間があります。
事前に電話しておくことで、そういった時間帯を避けることができます。
事前予約のメリット
歯医者側に予約のキャンセルがでて、空いている時間がある場合もあります。また、治療が早く終わり空き時間ができそうなところを案内してくれたりもするので、飛び込みで行くよりも待ち時間を短縮できる可能性があります。
歯医者側からしても、予約外の患者様が来る時間帯がわかっていた方が、事前に準備できることもあります。
②現在の症状を伝える
出ている症状を全て伝える
痛みや腫れなどがあることをきちんと伝えないと、緊急性がないと思われ断られる可能性もあるので、出ている症状は全て伝えましょう。
症状から治療の予測ができる
どのような症状が出ているか伝えておくことで、歯医者側も必要な治療の予測ができます。治療の予測ができると、必要な器具もあらかじめ準備することができ、スムーズな診療が行えます。
③当日予約可の歯医者を探す
かかりつけで対応できない場合もある
通っている歯医者が休診日であったり、オペなどの中断できない長時間の処置が入っていて診てもらえない場合もあります。
その場合は痛みを我慢せずに、他の歯医者で診てもらいましょう。
治療中なのに他の歯医者に行っても大丈夫かな?と思ってしまう方も居るかもしれませんが、私の経験上「かかりつけが休診日でやっていなかったから他院に行った」という方は結構居ます。
歯医者で勤務している立場からしても、緊急性のある症状の場合は早めに応急処置をした方が良いとわかっているので、痛みや腫れなどがある場合は早めに診てもらえるところに行きましょう。
歯医者の探し方
歯医者の中には、当日予約が可能であったり、初診・急患随時受付などの表記がある歯医者もあります。
検索サイト等で調べ、電話してみましょう。
④予約のマナーを守る
遅刻しないようにする
歯医者では患者様のために、治療時間や診療台の確保、器具の準備をしています。当日の電話をして診てもらえることになったら、遅刻しないようにできれば早めに来院するようにしましょう。
無断キャンセルはしない
やむを得ず予約を変更したい時は早めに連絡しましょう。
予約したのに行かないという無断キャンセルは、歯医者で働いている人だけでなく、他の患者様の迷惑にもなるので絶対にやめましょう。
まとめ
歯医者では、予約の治療内容に合わせて器具やスタッフの人数などの調整をしています。飛び込みでの受診は、事前に予約していた患者様の迷惑になってしまう可能性がありますし、十分な治療を受けられない可能性もあります。
緊急時以外は、きちんと予約をして計画的に治療を受けましょう。
また、緊急時の場合もいきなり飛び込みで歯医者に行くのではなく、当日であっても電話予約をしましょう。そうすることで、歯医者側も前もって準備できたり、患者様も待ち時間が少なくなるなど、双方がスムーズに治療を行う状態にすることができます。
歯医者を途中で変えることはできる?
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
歯医者に通院していると、「治療途中だけど、通うのを辞めたい」「歯医者を変えたいけど、勝手に変えていいのかな?」と思ったことのある方もいるのではないでしょうか?理由としては、引っ越しや仕事の都合で通院が難しくなったり、担当医と治療方針について合わないと感じていたりなど、さまざまだと思います。
結論からいうと、治療途中で歯医者を変えることは可能です。
この記事では、歯医者を途中で変えることのメリット・デメリットや注意点、自分に合う歯医者の探し方を紹介しています。治療途中で歯医者を変えようと思っている方は参考にしてみてくださいね。
歯医者を途中で変えることはできる
歯医者を治療途中で変えることは可能であり、法的な手続きも必要ありません。私が今まで歯医者で勤務してきた経験上でも、治療途中で来院された方もいれば、転院された方もいらっしゃいました。担当医に歯医者を変えることを言いづらいと感じるようであれば、必ず報告しなければならないという義務もありません。
ただし、今すでに歯医者の予約を取っている場合は、無断キャンセルしてしまうと他の患者さんの迷惑になってしまうこともあるので、必ず予約をキャンセルしてから転院するようにしましょう。転院には以下のようなメリットとデメリットがあります。
歯医者を途中で変えるメリット
歯医者が変わることで、設備や担当医も変わるので、新しい検査や診断により、見逃されていた問題を見つけることができる可能性があります。また、今よりも家や職場から通いやすい歯医者を選ぶことで、通院がしやすくなりますね。事前に歯医者の情報を調べ、自分の症状や希望に合った歯医者を選択することで、治療方針や説明に納得できる可能性が高まるでしょう。
歯医者を途中で変えるデメリット
治療するにあたってお口の中の情報が必要であるため、転院先でもレントゲン写真や検査などは再び行うことがほとんどです。そのため、レントゲン撮影の料金や初診料などの費用が二重にかかります。
紹介されて転院する場合は紹介状を作成するため、治療内容の引き継ぎがきちんとされていることが多いですが、無断で転院した場合は、引き継ぎがスムーズにされていないため、診察や治療が最初からやり直しになる可能性があります。
また、合わないからといって何回も安易な転院を繰り返すと、適切な治療が受けられない可能性があります。その理由としては、コロコロ担当医が変わると、経過を見ていないので症状や身体の状態を把握しにくいのと、担当医によって治療方針が違うため、一貫した治療を行えないことが挙げられます。
歯医者を途中で変える注意点
転院先を慎重に選ぼう
転院することを決めたものの、次の歯医者を慎重に選ばないと、また治療途中で変えるという結果になりかねません。新しく通おうとしている歯医者のホームページや口コミ情報を確認し、自分の症状に合った専門分野や治療方針での受診が可能か事前に調べておきましょう。
せっかく良い歯医者を見つけても、場所や診療時間が合わないとなかなか継続して通うことが難しいため、通院の利便性を考慮して探しましょう。
現在の担当医との相談
言いにくいということもあるかもしれませんが、転院を考えている場合は、まず現在の歯医者で相談してみるのも一つの方法です。自分の意見を伝えてみることで、歯医者を変えなくても問題が解決できる可能性もあります。
また、やっぱりどうしても歯医者を変えたいと言う場合は、現在の治療内容を確認しておくと、転院先に伝えられるためスムーズに引き継ぎができます。歯医者にとっては患者様の転院はさほど珍しいことでもないので、正直な理由を話してみても良いと思いますし、言いにくければ「仕事の都合で通いにくくなった」などの理由で十分だと思います。
費用に関する注意
現在の歯医者で、矯正治療や被せ物の治療途中であった場合、中断による返金が可能か、新たな費用が発生しないか確認しておきましょう。転院後、最初から診察し直しになる可能性は高いので、転院先で思わぬ出費とならないよう、新たな費用(初診料、検査料など)を把握しておきましょう。
自分に合う歯医者の探し方
転院先を慎重に選ぶためには、転院先の下調べが必要不可欠です。きちんと下調べをして、自分に合う歯医者を探しましょう。
口コミの活用
口コミはたくさんの方が参考にしている重要な情報源です。インターネットの口コミサイトの評価やGoogleマップのレビューなども参考にしましょう。私も歯科に限らず、病院やお店などの情報はGoogleマップのレビューを参考にすることが多いです。
また、近所の歯医者であれば知人や家族からの評判で、信憑性の高い情報を得られます。ただし、極端な評価だけを参考にするのではなく、複数の意見を見て総合的に判断しましょう。
医院の情報確認
公式ホームページで、診療内容や設備を確認しておきましょう。中には治療の実績や症例写真を載せている場合もあるので、そちらも合わせてチェックしておきましょう。歯科医の経歴や専門分野も調べておくと、自分の望む治療に対応可能かどうか事前にわかります。
通院のしやすさ
歯医者の立地だけでなく、診療時間や予約システムもチェックしておきましょう。
私は歯科ではないのですが、以前急ぎでかかった自宅の近隣の病院がありました。しかし、仕事の勤務時間の都合上どうしても頻繁に通うことができず、転院することになってしまいました。急ぎだったとは言え、今後継続して通院が可能かの確認をしておくべきだったと感じました。
歯医者での治療は週1程度のペースで継続的に通うことが多いです。また、自分の予定が空いていても、歯医者の予約がいっぱいで希望通りに予約が取れない場合もあるので、余裕を持って通える時間帯や曜日の歯医者を選びましょう。
重視すべきポイント
自分がどこに重きを置くかで変わってきますが、ポイントとしては
①歯医者の環境:衛生管理や設備の充実度
②担当医の人柄:丁寧な説明と対応
③担当医の技術:治療実績、幅広い症例への対応力
が挙げられます。総合的に見て、自分の希望と合いそうか判断しましょう。
まとめ
歯医者を途中で変えても、必ず今より良い歯医者と出会えるわけではありません。良い歯医者に出会おうとして何回も転院を繰り返すと、その度に治療が遅れ、どんどん完治から遠のいてしまうことになります。歯医者を変える場合は、転院を繰り返すことにならないよう、事前にしっかりリサーチしておきましょう。
最終的には実際に足を運び、雰囲気や対応を直接確認することが大切です。
「歯医者の治療で終わりが見えない…」理由や解決策を紹介
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
歯医者に行った時に毎回「次はいつにされますか」と聞かれ、「治療に終わりが見えない」「いつまで通えばいいの」と思うことってありますよね。
通い続けるのが嫌で通わなくなってしまう方もいると思います。
私も以前、歯医者ではありませんが、接骨院に数ヶ月間通い終わりが見えないと感じ、通うことが嫌になってしまった経験があります。
プライベートの予定も立てにくい上に、1回にかかる治療費が数千円だとしても、週に1〜2回通っていると月数万円になってしまうので、痛い出費ですよね。
この記事では、歯医者の治療が、終わり見えないと感じるほど長くなってしまう理由について解説しています。
また、治療期間を短くするための方法や、治療期間を短くしてもらうための伝え方について考えてみたので、歯医者の治療に終わりが見えないと感じている方は参考にしてみてください。
歯医者の治療期間が長くなる理由
歯医者に通っていて治療に終わりが見えないと感じるのは、治療期間が思っていたよりも長くかかってしまっているからだと思います。
しかし、治療期間が長くかかってしまうのには複数の理由があるのです。
ひとつずつ解説します。
⒈虫歯の進行具合
一言で「虫歯治療」と言っても、虫歯の進行状況によって治療の期間は大きく違います。
初期の小さな虫歯の場合、1回の治療で終わることもありますが、神経まで進行した虫歯の場合、1ヶ月以上の治療期間がかかることが多いです。
なぜこんなにも治療期間に差が出るのか?
それは、小さな虫歯の場合、虫歯を削ってプラスチックの材料で埋めるだけで済みますが、神経まで達した虫歯の場合、根管治療(歯の根の治療)で5回前後と、歯の土台作り、被せ物を型取りしてセットするまでと長い道のりであるためです。
2.全体のバランスを考慮している
虫歯が複数ある場合は、一度に全ての治療を行いません。
小さな虫歯なら同時に行うことがあるかもしれませんが、ある程度の大きさの虫歯を左右同時に行ってしまうと、治療期間中に噛めるところがなくなってしまったり、本来の噛み合わせの位置がわからなくなってしまいます。
全体の噛み合わせの状態を見ながらバランスを考えて治療を行うため、複数回の通院が必要になります。
3.患者様への負担を考慮している
一度に多くの虫歯の処置を行うためには、治療中に長時間お口を開けていなければいけません。そのため、患者様への負担が大きくなってしまいます。
また、前述したように、噛めるところがなくなってしまうと治療期間中に食事がしづらくなるなど日常生活に支障が出る可能性が高いため、治療をわけて行うことがあります。
4.保険診療のルール
健康保険適用の歯科治療では、原則として一度に多くの治療を行うことはできません。
健康保険内で行う治療は、処置ごとに保険点数が決まっています。この点数が高い患者様が多い歯科医院は、厚生労働省から指導や処分を受けることになります。
また、歯医者の予約システムの都合も関係しています。
一人あたりに長時間の診療時間を確保していると、他の患者様の予約がとりづらくなってしまいます。 患者様への治療を複数に分けて行うことで、一回あたりの診療時間が短くなり、多くの患者様が予約を取りやすくなります。
5.メンテナンスを継続する必要があるため
治療以外にも、メンテナンスについて終わりが見えないと感じる方もいらっしゃると思います。
メンテナンスというのは生きている限り一生続くものであるため、終わりはありません。
歯の健康を維持するためにはメンテナンスは不可欠だからです。
そのため、歯医者側からメンテナンスに通うよう指示されることがあります。
私も歯科衛生士という立場からすると、メンテナンスに通わないというのはおすすめではありませんが、嫌であれば断ることもできます。
中には仕事が忙しく、メンテナンス期間を長めに設定している方も居るので、メンテナンスに通うことを負担に感じるようであれば、担当医に相談してみましょう。
治療期間を短くするためにはどうしたらいい?
実際に治療期間を短く済ますためには、何かできることはあるのでしょうか?
いくつか取り組めそうな対策を考えてみました。
1.定期的な歯科検診を受ける
小さな虫歯など初期のうちは症状がわかりにくく、自分で気がつかないことが多いので、検診で見つけてもらうことが大事です。
また、定期的に歯科検診を受けている方は、お口の中も定期的なプロケアでメンテナンスされているので清潔に保たれ、虫歯や歯周病になりにくい環境であると考えられます。
2.早期発見・早期治療を心がける
虫歯ができても小さなうちに見つけることで、大掛かりな処置になる前に治療ができます。
定期的に歯科検診を受けたり、日常でのわずかな異変(フロスが引っかかる、舌での触感の変化、噛んだ時の違和感など)を感じたら早めに受診することが大事です。
3.日頃から丁寧な歯磨きを行う
治療が必要になる主な原因は、歯周病や虫歯であることがほとんどです。
日頃から丁寧な歯磨きを行うことで、お口の中の細菌数を減らすことができるため、歯周病や虫歯になりにくくなります。
実際に日々メンテナンスを行っている私の立場から見ても、しっかりセルフケアができている方は、お口のトラブルが少ないように感じます。
4.必要に応じて自費診療を検討する
自費診療にしても治療期間が変わらない処置もありますが、保険点数のルールなどは関係なくなるため、場合によっては治療期間を短くすることが可能かもしれません。
担当医に相談してみると良いでしょう。
歯医者に治療期間を短くしたいと伝える方法
治療期間を短くしたいけど、そう伝えたところで短くしてもらえるのか?どのように伝えたらより短くしてもらえるのか?
治療期間を短くしてもらうための効果的な伝え方についてご紹介します。
1.治療方針の相談
まずは担当医に、今後の治療方針についてしっかり説明をしてもらいましょう。
その上で、「治療期間をできるだけ短くしたいこと」「仕事やプライベートの予定で長期の通院が難しいこと」「短期で集中して治療を行うことは可能か」というポイントを伝えましょう。
全てを担当医任せにせず、どういった治療でどのくらいの間隔が必要なのかなど、治療方針を自分でも把握しておくと、予定を立てやすいです。
2.具体的な要望を伝える
ただ「治療期間を短くして」と伝えるよりも、具体的に「1回の診療時間を長くすることは可能か」「複数の歯を同時に治療はできないか」「より効率的な治療方法や最新の機器の使用は可能か」などの提案を伝えることで、担当医側も答えやすくなります。
3.自分の状況を説明する
治療期間を短くしたい理由がある場合は、自分の状況を事前に伝えておきましょう。
「転勤や引っ越しの予定がある」「海外出張や長期休暇の予定がある」「痛みや不安感が強く、治療を早く終えたい気持ちがある」というのは理由としてよく耳にします。
担当医としっかりコミュニケーションをとることで、より効率的な治療計画を立てることにつながります。
まとめ
歯医者での治療は、通っているとひたすら終わりが見えないと感じてしまうこともあると思います。
しかし、自分でもお口の中の状況を把握し、治療の流れを理解することができれば、治療の終わりまでの道のりがわかります。
治療の全体像を把握すると、案外終わりが見えてくることもあるでしょう。
また、全てを担当医任せにせずに、自分の状況などを説明したり、担当医と治療について相談することも、治療期間を短くするためには必要です。
歯医者のホワイトニングと歯医者以外のホワイトニングの効果の違い
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯医者でやるホワイトニングって、やっぱり他と比べて効果があるの?」
「どのくらいで白くなるの?」
ホワイトニングをしようと思って調べると、歯医者のホワイトニング以外にもホワイトニング専門のサロンなど、たくさんの情報が出てきます。
歯医者のホワイトニングと歯医者以外のホワイトニングでは一体何が違うのか?効果に違いがあるのか?を調査してみました。
私も過去にホワイトニングをした経験があるので、その時のホワイトニング効果の感想と、注意したことについてもまとめてみました。
ホワイトニングに興味のある方や、ホワイトニングをこれからしようと思っている方は参考にしてみてください。
歯医者のホワイトニングの種類
歯医者のホワイトニングの方法はいくつかあり、効果にも違いがあります。
歯医者で行うオフィスホワイトニングと、専用のトレーと薬剤を受け取り自宅で行うホームホワイトニング、その両方を併用したデュアルホワイトニングがあります。
また、あまり知られていませんが、神経が死んでしまって変色してしまった歯を白くするウォーキングブリーチという方法もあるのです。
ホワイトニングは一度行えばずっと白いままではなく、後戻りと言って元の色に戻ってしまうのですが、ホワイトニングの種類によってその効果の期間も違ったりします。
それぞれのホワイトニングの種類の特徴について解説します。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは歯医者で治療を受けるように、歯科医師や歯科衛生士に施術してもらう方法です。
使用している薬剤も濃度が高いものなので、短期間で白くすることができます。
効果には多少個人差がありますが、中には1回の施術で白さを感じる人もいます。
1〜2週間おきに3回程度施術を受けるのが一般的です。
短期間で効果が出るため、結婚式の前など、特別なイベント前に施術を受ける方が多い印象です。
ホームホワイトニング
歯医者で歯の型取りをして自分専用のトレーを作成し、トレーの中に薬剤を入れたものを自宅で数時間装着することで徐々に白くしていく方法です。
オフィスホワイトニングに比べ弱い薬剤を使用するので、オフィスホワイトニングのような即効性はなく、効果が出るまで数日間繰り返し行う必要があります。
手間や時間はかかりますが、オフィスホワイトニングより後戻りがしにくく、効果が持続しやすいという特徴があります。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングとは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を併用する方法です。
歯医者でオフィスホワイトニングを受けた後、自宅でホームホワイトニングを継続します。
オフィスホワイトニングで得られる即効性と、ホームホワイトニングの持続力の両方が感じられます。
ウォーキングブリーチ
ウォーキングブリーチは、前述した歯の全体を白くする方法とは少し違い、神経が死んでしまって変色した歯のみを白くする方法です。
歯の神経が死んでしまうと、時間の経過とともに歯が変色していき黒ずんでしまいます。神経のない歯には通常のホワイトニングの薬剤は作用しないので、白くしたい場合は上から被せ物をするか、ウォーキングブリーチを行うしか方法はありません。
神経の死んでしまった歯の内部に薬剤を入れて直接作用させます。変色の程度にもよりますが、薬剤を数回交換する必要があります。
歯医者以外のホワイトニング
近年、歯医者以外でホワイトニングを行う、セルフホワイトニングサロンが増えてきています。歯医者のホワイトニングと何が違うのかを解説します。
セルフホワイトニングサロンの特徴
セルフホワイトニングサロンでは、歯医者で使用する薬剤と比べ、安全性の高い薬剤を使用しています。歯の表面についた着色汚れを除去し、歯の本来の白さを取り戻す効果があります。
歯医者のホワイトニングに比べて低価格で行うことができ、施術時間も30分程度のため、忙しい人でも通いやすいです。
サロンスタッフの指示のもと、利用者が自分で歯に薬剤を塗り、ホワイトニングを行います。
注意点と制限
セルフホワイトニングサロンの効果には限界があります。
安全性の高い薬剤を使用しているため、歯医者でのホワイトニングのように歯の内部まで漂白する効果はありません。そのため、歯の本来の色以上に白くすることは難しいです。
また、医療機関ではないため、サロンに歯科医師や歯科衛生士が在籍していることは少ないです。
スタッフが直接お口の中に触れることはできないため、全て自分で行う必要があります。
セルフホワイトニングサロンは、手軽さと低価格が魅力ですが、効果や安全性の面では歯医者でのホワイトニングに劣ります。
私がホワイトニングをやってみた感想
私は以前、歯医者のホワイトニングの種類のうち、ホームホワイトニングを行ったことがあります。
効果の感じ方には個人差があるとは思いますが、体験談として参考にしてみてください。
白さの持続効果
私はホームホワイトニングを始めて2週間程度で白さを感じてきました。
ホームホワイトニングの一般的な白さの持続期間は6ヶ月〜12ヶ月ほどと言われていますが、私の場合は1年以上経っても「白いですね」と言われることも多く、実際に歯の色見本(シェードガイド)でも比較して確認しましたが、白さを保つことができていました。
歯を白くしたいのが急ぎでなく、白さの持続を重視するのであれば、私は断然ホームホワイトニングがおすすめです。
注意したこと
ホワイトニングをするにあたって、食事制限があります。
ホワイトニング中は着色性の高い飲食は避けるようにとされていますが、私は毎日コーヒーを飲む習慣があったため、そこが一番の難関でした。
ホワイトニング直後1〜2時間を避け、ストローで飲むという方法も実践しましたが、結局口の中で広がってしまうので、おすすめしません。
一見何も影響がないように見えますが、ホワイトニング後は歯が色素を取り込みやすい状態となっているので、注意が必要です。
トレーに薬剤を入れ2時間装着したまま過ごす、というのもなかなか不快でした。どうしてもトレーの存在が気になってしまうので、個人的には何か集中できることや作業をしている時だとトレーのことを忘れられて良かったです。
また、連続して1週間ほどホワイトニングを行った際に、一時的に知覚過敏の症状が起こるようになりました。そのため、2〜3日おきに様子をみながらホワイトニングを行っていました。ホワイトニングをやめてからは知覚過敏の症状は治りました。
私の場合はそこまでひどい症状ではなかったので、少し日にちを空けてお休みを入れることで継続できましたが、もし症状が強い場合は、無理に続けず歯医者で相談をしましょう。
まとめ
ホワイトニングは種類によって、効果だけでなく方法や料金も変わります。
歯医者に何回も通うのが難しい方もいれば、自宅でホワイトニングの時間を取れない方もいらっしゃると思います。
ホワイトニングの方法や予算、だいたいの通院回数やかかる期間などは、事前に必ずチェックをして、自分の生活スタイルに適したホワイトニングの種類を選択しましょう。
歯医者での麻酔が切れない?効果時間と対処法
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯医者さんで麻酔したけど、思っていたより麻酔が切れない…いつまで効いてるの?」
「麻酔が効いたままだけど、食事はどうしたらいいの?」
歯医者の治療で麻酔をした後、なかなか麻酔の効果が切れなかったり、事前に食事の予定を入れてしまっていたということがあるかもしれません。
今回は、麻酔の効き時間と、麻酔が効いている時の注意事項について解説します。
思っていたより麻酔が切れなくて困っている方や、これから麻酔をする処置を控えている方はぜひ参考にしてみてください。
麻酔の効く時間は2〜6時間
通常の麻酔の場合は1〜3時間
歯科で通常使用されている麻酔は、「浸潤麻酔」と呼ばれています。
浸潤麻酔は痛みを取りたい歯の付近の歯茎に注射をして、麻酔薬が浸透したところの感覚を麻痺させる方法です。
浸潤麻酔の場合、効き目は1〜3時間程度になります。
例外として、アドレナリンの使用ができない患者さん(動悸や血圧の上昇が禁忌な方)が使用する麻酔薬は、通常使用される麻酔薬より持続効果が短く、30分程度の効き目になります。
伝達麻酔の場合は4〜6時間
「伝達麻酔」とは、浸潤麻酔より広範囲に麻酔を効かせることができる方法です。神経の周囲に麻酔することで、下唇や舌などの広範囲に長時間効きます。
歯医者では、親知らずの抜歯をする時にこの麻酔法を行うことが多いです。
伝達麻酔の場合、効き目は4〜6時間程度になります。
私も過去に、親知らずの抜歯で伝達麻酔をしてもらったことがあるのですが、夕方に麻酔をしてから寝る前の22〜23時頃まで麻酔の効果が効いていました。
伝達麻酔をするような外科処置の場合は、大掛かりな処置であることが多いです。私の場合も、歯茎を切って骨を削る必要があるような抜歯でした。
そのような大掛かりな処置の場合は、麻酔が切れた後に傷口の痛みが出てしまうので、麻酔が切れる前に痛みどめの薬を飲んでおいたり、私のように夕方〜夜に処置を行った場合は麻酔が切れる前に早めに寝てしまうのがお勧めです。
麻酔の効果には個人差がある
浸潤麻酔も伝達麻酔も人によって効き目に個人差があります。
そのため、麻酔を打っている側の歯医者でも、麻酔の効果時間を正確に予測することは難しいです。
歯医者で「麻酔は◯時間くらい効いてます」「お食事は◯時間後にとってください」など声かけをされることがあるかもしれませんが、あくまで一般的な目安の時間なので、言われた時間を過ぎても麻酔が切れない場合でも焦らず待ちましょう。
必ず麻酔は切れるので、安心してください。
私は今までの経験で、歯科治療で麻酔をされた方を何人も見てきましたが、早い方だと、まだおうちに帰られる前に麻酔が切れてきたという方もいました。
本当に効き目には個人差があると感じています。
麻酔が効いている時に注意すること
食事
歯医者で「お食事は麻酔が切れてから」と言われることが多いと思います。
なぜ麻酔が効いている間に食事をしてはいけないのか?
麻酔が効いている間に食事をとっても、体の内部に何か悪影響が出るわけではありません。
しかし、麻酔をすると治療している歯だけでなく、周りの頬や唇まで感覚がなくなります。感覚がない時に食事をしてしまうと、誤って頬や唇を噛んでしまったり、熱いものに気がつかず火傷をしてしまうリスクがあるため、麻酔が切れた後に食事をするよう勧めています。
とは言え、麻酔がなかなか切れないうちに食事の時間になってしまったり、食事の約束を入れていた場合もあるかもしれません。また、夜遅くに麻酔の処置をした場合、食事せずに寝るわけにもいきません。
その場合は、あまり噛む必要がない柔らかいものや、熱いものを避けてぬるめの温度のものを選ぶようにしましょう。
また、勢いで頬を噛んでしまうことがないよう、気をつけてゆっくり食事するようにしましょう。
アルコールを控える
麻酔とアルコールの場合も、食事と同じように体に悪影響が出るわけではありませんが、麻酔をするような虫歯や抜歯などの治療をした場合は、アルコールを避ける必要があります。
アルコールを摂取して血行が良くなることで、傷の治りが遅くなったり、痛みや腫れを引き起こす可能性があるためです。
付き合いなどでどうしても飲酒しなければならない場合は、少量にとどめる、水分補給をする、無理に飲酒せず治療部位の回復を優先するようにしましょう。
とは言え前述した通り、付き合いの場でも飲酒しなくて済む場合はしない方がベターです。
触らない
麻酔をしたことで頬や唇の感覚がなくなっているので、気になって触ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、触り過ぎたり引っ張ったりすると、知らないうちに粘膜が傷ついてしまうことがあります。
その時は痛みがなくても、麻酔が切れた後に痛みが出てしまうので、むやみに触らないよう気をつけましょう。
特に子供の場合は、面白がってわざと頬を噛んでみたり、引っ張ってしまうこともあるので注意しましょう。
まとめ
歯医者で治療をしていると、予定していなくても急に麻酔をする必要があるかもしれません。また、予想してした時間よりなかなか麻酔が切れない場合もありますが、できるだけ麻酔が切れてから飲食をしましょう。
麻酔をすると最初からわかっている場合は、その後は予定を入れない、先に食事しておくなど事前に準備をしておくと、後々困らずに過ごせるのでお勧めです。