デンタルニュース
歯医者は歯を抜きたがる?抜歯のメリットデメリット
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯医者で抜歯を勧められたけど、本当に抜く必要があるの?」
「抜歯ばかり勧めてきて、本当は歯医者が歯を抜きたいだけでは?」
歯医者に通っていて抜歯を勧められると、不安でいっぱいになりますよね。
本当に抜くしかないのか、他に方法はないのか、後で後悔しないか、色々なことが頭をよぎると思います。
また、何回も抜歯を勧められたり、1本だけでなく数本の抜歯を提案されると、歯医者が歯を抜きたがっているのではないかと疑う気持ちも出てくるかもしれません。
ネットで調べると、「歯医者が自分の利益のために抜歯をする」という内容の記事もいくつか見かけますが、私は働いていく中で実際にそのような先生には出会ったことはありません。
私は今まで10年以上歯科の診療に携わってきて、抜歯を勧められた方を何名も見てきましたが、歯医者が抜歯を勧めるのには、やはりそれなりの理由があります。
この記事では、歯医者が抜歯を勧める理由と、抜歯のメリットデメリットを解説しています。
抜歯について後悔しない選択ができるように、セカンドオピニオンについてもまとめてみました。
歯医者で抜歯を勧められた際に納得のいく治療選択ができるよう、参考にしてみてください。
Ⅰ なぜ歯医者は歯を抜きたがるのか?その理由
歯医者が抜歯を勧める理由は様々です。
虫歯や歯周病が進んでいて保存が不可能であったり、歯自体に問題はなくても、歯並びや噛み合わせなどのお口の全体のバランスをみて抜歯を勧める場合もあります。
抜歯を勧める主な理由について、詳しく解説します。
Ⅰ-1.虫歯や歯周病の進行により、抜歯の必要がある
①虫歯から抜歯となる場合
虫歯が大きく進行し、歯ぐきの下の根の方まで進んでしまっていると、上に被せ物をつけることができないので治療ができず、抜歯の対象となります。
②歯周病から抜歯となる場合
歯周病が進行し、歯を支える周りの骨が溶けてしまった場合も、歯がグラグラになり、最終的には抜け落ちてしまいます。
③その他の原因で抜歯となる場合
外傷や何らかの原因で歯に負荷がかかり、歯が根っこの方まで割れてしまった場合も、割れたところから細菌が入り込み炎症を起こしてしまうため、抜歯の対象となります。
患者様とお話しをしていると、もう治療ができない歯とわかっていても「最終的にダメになるまで待ちたい」「自然に抜け落ちるまで様子を見たい」という方が多いように感じます。
状態の悪くなってしまった歯もご自分のお身体の一部なので、その気持ちは十分わかります。
しかし、このような状態の歯を無理に残しておくと、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす可能性があるため、基本的には抜歯を勧めることがほとんどです。
Ⅰ-2.歯並びや噛み合わせの問題による抜歯の提案
①歯並びによる影響
歯並びが悪いと、見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪くなってしまいます。
このような場合、矯正治療を行うことで歯並びを改善することができますが、歯を並べるスペースが足りないと、抜歯が必要になる場合があります。
これは全体の歯並びを整え、良好な噛み合わせを確立するために必要な処置です。
②噛み合わせによる影響
噛み合わせが悪くなると、顎関節症や肩こり、頭痛、顔の歪みなどを引き起こす原因となることがあります。
また、噛み合わせが悪く、噛みやすい場所ばかりを使用してしまうと、その場所ばかりに負担がかかり、歯の寿命が短くなってしまいます。
Ⅰ-3.歯医者の経験や考え方による判断の違い
①歯医者による判断の違い
歯医者の経験や専門分野、治療方針によって、抜歯の判断が違う場合があります。
そのため、「あっちの歯医者では抜歯が必要と言われたけど、こっちの歯医者では必要ないと言われた」ということが起こります。
診断に納得が行かない場合は、一つの歯医者だけでなく、複数の歯医者でセカンドオピニオンを受けることで、より客観的な判断を得ることができます。
②患者の状態による判断の違い
私は、以前学生時代に矯正治療を行いましたが、抜歯をせずに行うことができました。
しかし、私の姉は同じ歯医者に通っていましたが、矯正治療をするにあたって抜歯をしました。同じ歯医者でも、一人一人のお口の状態によって対応も変わってくるのだと感じました。
このように、抜歯の必要性はお口の中の状態が大きく関係しますが、歯医者によってはなるべく抜歯をせずにという考えで治療してくれる先生もいます。
Ⅱ 中には歯医者の都合で歯を抜きたがる場合もある!?
歯医者が歯を抜きたがる傾向があるという話は、患者様の間で広く認識されている問題です。
ネットで検索すると、「歯医者が歯を抜きたがる」という内容の記事もいくつか見かけます。
なぜそう言われてしまうのか、まとめてみました。
Ⅱ-1.インプラントやブリッジなどの自費の治療をしたい
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅱ-2.治療後のトラブルを避けるため
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅲ 抜歯のメリットとデメリットを解説
抜歯をすることでメリットもあれば、デメリットもあります。
ご自分の状況にとって、メリットが大きいのか、デメリットが大きいのか考える参考にしてみてください。
Ⅲ-1.抜歯のメリット
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅲ-2.抜歯のデメリット
①お口の中への影響
歯を失うことで、噛む機能が低下する可能性があります。
抜歯後は歯磨きがしにくいので、歯垢が残りやすくなってしまうと、歯周病のリスクが高くなります。
しかし抜歯後に治療をせずに放置してしまうと、隣の歯が倒れ込んでしまったり、噛み合わせの歯が伸びてきてしまうため、歯並びが悪くなる場合があります。
そうなると、噛み合わせも合わなくなってくるため、顔の形に影響を与える可能性もあります。
②費用や時間への影響
抜歯後の治療には、追加でお金と時間がかかります。
前述した通り、抜歯後に放置してしまうと悪影響があるため、追加での治療が必要になってきます。
保険で治療をするにしても、自費で治療をするにしても、ある程度の費用はかかってしまうでしょう。
また、抜歯後のブリッジ、入れ歯、インプラントはどれも一回で終わる治療ではないことと、抜歯後の傷の治りを待ってから治療をする必要があるため、治療期間もその分長くなるでしょう。
Ⅳセカンドオピニオンを活用しよう!後悔しないための歯医者選び
Ⅳ-1.セカンドオピニオンを受けるメリット
①診断の確認ができる
抜歯を勧められて、納得できない場合はセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
別の歯医者の意見を聞くことで、より客観的な意見を聞くことができます。
セカンドオピニオンを受ける際は、現在の情報を正確に伝えることが大切です。
②治療の選択肢が増える
私は今まで何人もの歯医者と一緒に診療してきましたが、歯医者によって判断の基準や治療方針はそれぞれです。
誰がどうみても抜歯という判断の歯もありますが、そうではない場合、別の選択肢も広がるでしょう。疑問に思ったら他の意見も取り入れてみましょう。
Ⅳ-2.信頼できる歯医者の見分け方
①歯医者の人柄
患者様の話をよく聞き、丁寧な説明やカウンセリングを行ってくれる歯医者を選ぶことが大切です。
抜歯の理由や治療法について、十分な説明を受けましょう。
②歯医者の技術・設備
最新の治療技術や設備を導入している歯医者は、治療の選択肢が広がるので、より高度な治療を提供できます。
豊富な治療実績を持つ歯医者は、安心して治療を任せることができるので、ホームページなどから確認すると良いでしょう。
Ⅴまとめ
抜歯をするかどうかは、患者様のお口の状態や将来的な影響を考慮して、慎重に判断する必要があります。
担当医とよく相談し、納得のいく治療方針を選択することが大事です。