2018-11

PMTCでインフルエンザを予防しよう!

インフルエンザ流行の季節です。
12月になり、インフルエンザが流行する季節となりました。
インフルエンザの予防法といえば
①手洗いうがい
②十分な睡眠
③人込みでのマスク着用
などですが、最近の研究により、口腔内を清潔に保つことがインフルエンザ予防に繋がることがわかってきました。

口腔内の細菌がインフルエンザウイルスの手助けをしている!?

インフルエンザウイルスは、鼻から喉(のど)にかけての粘膜の細胞にくっついて侵入します。
ただし、粘膜はタンパク質で覆われているため、インフルエンザウイルスはなかなかくっつくことはできません。
ところが口の中の細菌は、インフルエンザウイルスが細胞にくっつき、侵入するのを手助けするのです。
「プロテアーゼ」「ノイラミニダーゼ」という酵素をつくりだし粘膜を覆っているタンパク質を破壊してしまうのです。
また細菌が出す毒素(内毒素)は、粘膜に炎症をおこし感染をさらに拡大させてしまいます。
細菌が繁殖した口の中は、インフルエンザウイルスにとって格好の環境なのです。

口腔内の細菌が多いとインフルエンザの薬も効かなくなる!?

インフルエンザウイルスは細胞内に入り込み、ほかの細胞に感染を広げる際、ウイルスの表面にある「ノイラミニダーゼ(NA)」という酵素を使って自身を細胞表面から切り離します。
タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬は、この(NA)の働きを妨げることで感染拡大を防ぐ薬です。
しかし研究により口の中の2種類の細菌が、(NA)を作り出しウイルス増殖の手助けすることがわかりました。
口腔内の細菌が多いと、インフルエンザ薬が効かない可能性があるのです。

PMTCで口の中の細菌を減らそう!

お口の中の細菌の数は個人差がありますが、およそ1,000億~1兆個といわれています。
細菌数は個人差が大きく、歯垢や歯石が多く汚れの目立つ人の口腔内には、綺麗な人の10 倍ぐらいの細菌がいます。
「PMTC」とは、Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の略です。

日本橋グリーン歯科では歯科衛生士が、様々な器具や機械を使って歯と歯の間・歯と歯肉の境目などの汚れや歯垢(プラーク)、歯石を徹底的に除去します。
定期的にPMTCを受けることで、お口の中の細菌を減らすことができます。
PMTCは自費治療ですが、たばこやコーヒー、紅茶などによる歯の頑固な着色や汚れも時間をかけて徹底的に落とすことができます。
虫歯や歯周病を予防するためには、3か月に一度の受診をお勧めしています。
今年はインフルエンザ予防の一環としても、当院で「PMTC」を受けてみてはいかがでしょうか?

2018-11-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

口腔ケアについて

口腔ケアとは、口腔機能・衛生状態の維持・向上のために行う専門的なお口の健康管理です。これを定期的に継続することで、口腔疾病予防・口腔機能回復や、健康状態の保持促進、さらにはQOLの向上までを目指します。 

口腔ケアとは、ただ単にお口の中を きれいにするだけではなく、口腔機能を回復させる訓練なども含まれます。
ご自身のお口の中の状態に合わせた訓練を取り入れる事により、毎日のお食事を美味しく楽しめる事ができるでしょう。 

口腔ケアはセルフケア(自分自身で行う毎日のケア)とプロフェッショナルケア(歯科医師・歯科衛生士によるケア・アドバイス・リハビリテーション)が基本です。 

セルフケア
●適切な歯ブラシや歯間清掃用具を選択し、すみずみまできれいに清掃する
●むし歯を引き起こす甘味食品の量を制限し、栄養バランスのとれた食事をよく噛んで食べる
●全身のリラクゼーションを心掛け、顔面、口腔をよく動かし、摂食・嚥下のための良好な口腔機能を保つ
●フッ化物入り歯みがき剤を使用し、むし歯予防に役立たせる
●定期的に歯科健診を受ける

プロフェッショナルケア(専門的口腔ケア)
●むし歯、歯周病の状況を診て、全身状態、口腔内の状況に合った適切な口腔清掃のアドバイス
●日常的には清掃できない部位の専門的歯面清掃
●口腔機能の維持、回復を図る機能的口腔ケア
●食介護への支援
●フッ化物洗口など、予防に関係する薬剤の紹介と正しい使い方の指導

口腔ケアは気道感染予防の中心に位置づけられています。 また、口腔機能を高める口腔ケアにより栄養状態の指標のひとつである血清アルブミン値の改善が期待できることが、平成15年度の厚生労働科学研究でも明らかにされています。

口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防と、他のさまざまな効果

誤嚥性肺炎のカニズムを考えたときに、さまざまな口腔ケアの予防効果が期待できます。 

①器質的口腔ケアにより、口腔と咽頭の細菌数が減少する。

②継続した口腔ケアによって、要介護 高齢者の嚥下するまでの時間が短縮し、誤嚥の予防につながる。

③機能的口腔ケアによって、舌や口唇などの口腔機能が改善し、食べる量が増え、栄養状態の改善が図られる。これにより、免疫能の向上につながる。

老人ホームでは、潜在的に低栄養(血清アルブ ミン値が、3.5g/dl以下)の人が、30~40%前後い るといわれています。その多くが口腔の機能に問 題があることが、最近の研究で示唆されています。 介護予防の取り組みのひとつとして、歯科医師や 歯科衛生士が、口腔機能の低下を起こしつつある 人に対し、義歯を調整することなどにより口腔機能 を引き出し、栄養状態が改善するということが、明 かになってきました。 

2018-11-14 | Posted in  Comments Closed