2016-06
歯の神経のお話
夜に歯が痛くなって辛かったとか、冷たいものや暖かいもので歯が痛くなって辛かったという方がいらっしゃいます。
虫歯菌が穴をあけているのかしら・・・と聞かれることがありますが、どんなことが起きてこのような症状になっているのでしょうか。
歯の中には神経が通る管があります。
実はその神経が炎症を起こすことでこの痛みを引き起こします。
冷たい水がしみるくらいの症状ならば様子を見たり、削れた歯の根元を修復すれば回復するのですが、バイ菌の進行程度や神経の症状があまりにもひどく出てしまうときには、この神経をとる治療をしていくことになります。
この処置を抜髄(ばつずい)と呼んでいます。
歯の神経があっても神経をとってもそれほど変わらないとおっしゃる方もいますが、歯の神経をとると歯にはどんなことが起きるのでしょうか。
実は神経をとった歯はドライフラワー状態と言えば分りやすいでしょうか、血流がなくなり枯れ木を歯ぐきが抱えている状態になります。
栄養の届かなくなった歯はとてももろくなって色が変わってきます。
前歯で、一本だけ色が違う人を見かけたことはありませんか?
白く艶のある歯ではなくなって、グレーっぽいような茶色っぽい色に変わっていきます。
感覚もその歯自体からは受けることが無くなるので、神経のない歯だらけになれば味や細かな温度変化も感じにくくなってしまいます。
できる限り歯を残して、自分の歯で噛んでほしいという願いとともに、できるだけ神経も残したいというのが今の歯科界のほぼ共通の考え方になっています。
しかし一度神経の治療をしたは歯は、このような理由で、とてももろく栄養が通っていない状態なのでトラブルも少なくありません。
一度神経をとる治療をした神経管を再度お掃除していかなくてはならない時もあるでしょう。
これは歯の根の先に膿がたまってしまったり、最初の神経処置の結果が思わしくなかったときに必要になります。
これらの治療を済ませた後は人工の神経管を埋める材料で覆って、金属をかぶせたり治療の穴をふさいだりして結果的に修復していくのです。
神経の治療は時間も治療回数もかかるので、通院が嫌になってしまう人もいますが、根気よく続けてほしい一番必要な治療の過程の一つになります。
目に見えない部分ではあるのですが、非常に細かく丁寧な処置が必要になるところで、小さなお口の中で感染した神経の管をお掃除していく必要があります。
治療中は口を開け続けていただくことになるので、辛いところではありますよね。
しかし、根気良く細菌に侵された部分を取り除き、洗浄してきれいにしていくので長引く痛みや不快感から解放されるために必要なことなのです。
このような治療を受けずに自分の歯で美味しくしっかり噛むためにも丁寧なお口のケアは欠かせませんね。
歯に関する豆知識、あれこれ
毎日なんとなくお口のケアをされていることかと思いますが、皆さんはどんなことをしているでしょうか。
歯磨きを一日二回だけです。とか、一日3回食後3分以内に3分間しています。とか、人それぞれだと思います。
そんなケア方法やケアグッズ、はたまた歯科医院にのぼるまで、たまにはちょっとした話題で一息ついてみてはいかがですか
このごろ、100円均一ショップなどでも歯科グッズを取り扱っていたり、エステサロンや審美歯科での治療などもよく知られるようになるなど、歯科への関心も割と高まって来ているようです。
とても大雑把ではありますが、毎日かかわりのあるお口への関心を高めていただくために、歯科に関する豆知識をご紹介しましょう。
まず 歯科の先進国と言えばスウェーデンです。かつては多くの虫歯患者がいたと言われますが、予防歯科を確立した国と言っていいでしょう。
いまも多くの歯科関係者がスウェーデンに勉強の為、視察に足を運んでいます。
スウェーデンは3歳から19歳まで歯科治療はおおむね無料です!
日本の歯科治療も無料であれば、もっと子供が沢山歯科医院に来て予防に取り組んでくれるのでしょうか。
虫歯を防ぐ、または虫歯にならない糖として有名なキシリトールはフィンランドで初めて実験、その効果が証明されました。
1976年のお話です。今ではガムやチョコレート、飴など多くの商品に添加されていますね。
虫歯を防ぐものの代表と言えばフッ素。聞いたことがない人はいないかもしれませんね、今では有名な物質です。
お茶や海藻にも含まれるものなので、歯科医院での予防治療に積極的に使われています。
海外では食塩や水道水にあらかじめフッ素を入れて、国民の虫歯予防を促進している国もあります。
医療水準は高いものの、医療保 険制度の問題から、お金が払えない人は良い治療が受けられない、医療格差のあるアメリカ。
特に歯並びや、白くない歯は、貧しさを連想させてしまいます。
歯科の治療の中でも専門医がいろいろと分かていて、歯科治療の内容によって別の専門医のオフィスを訪ねることもしばしば。
欧米では補助用具の歯間ブラシよりも、フロスを好んで行っている人が大変多いです。
歯ブラシとフロスはセットで考えている人も多く、当たり前のようにフロスをしているシーンが映画やドラマ、CMなどで出てきます。
日本でも多くの種類を見ることができるようになりましたが、さまざまなフレーバーのフロスや歯科関連グッズが多く売られていて面白く、お土産にする人もいるようです。
なんとなく ルーティンになっているお口のケア。
それでも世界をちょっと見てみると一つ一つが面白いですね。