2016-04

噛むことって大切です

ストレス社会と言われて久しいこのごろですが、歯ぎしりやかみしめによる歯の破折、歯周組織へのダメージ、顎関節への影響や頭痛肩こりなど、クレンチング症候群というものがあります。
噛みすぎてトラブルになる近年、マウスピースを使用して噛む力を和らげるような治療も増えています。
であれば、あまり噛まないほうがいいのかしら?という疑問があったのでお話していきます。
噛むことって大切です

マウスの実験などから噛まない環境を作ったものと噛むように餌を加工した環境を作ったもので比較した結果に大きく差が出ました。
最終的に迷路を抜けるというテストから、噛むことを教えたマウスの方が良い結果を出すことがわかりました。

昔、火のない時代には硬い実などをすりつぶすか砕いて食べていました。
そのころの人間はあごがしっかりしていて、今でいう親知らずという三番目の大臼歯まで生えていることが普通でした。
近年、柔らかい食べ物が増えてきたせいで、顎が発達せず、親知らずは生えることが遅いどころか、退化してしまっている人がどんどん増えているのです。
しっ かりと噛むことをすると、唾液が多く出てきて、歯周組織や、骨が噛む力を受け止め、筋肉がそれを助け刺激となって働きます。

結果的に脳の発育や、成長を助け良い結果をもたらすのです。
幼稚園児の実験では良く噛む子に知能指数が高い子が多いことが分かっています。
記憶力が高まり、学習に関係する物質が多く分泌されたり、血流が良くなるので太りにくく、健康になると言われています。

ストレスが多いときにスルメをかじります、とかガムを噛みますという声を聞きますが、これは正しい対処法と言えます。
イライラを抑えるためにストレスを逃がし、噛むことで血流を良くしていくからです。
スポーツ選手が試合中にガムを噛んで集中力を高めるのもよく知られていることですよね。
眠気防止にガムを噛むのも同じ理由です。
よく噛んで唾液が沢山出てくると、口臭の予防、酵素が多く含まれるために身体の働きを効果的に促すなど利点が沢山あるのです。

小さな子供が生でニンジンを食べるのが好き、と聞くとうれしくなります。
逆にファストフードのハンバーガーにポテトという組み合わせでは、噛まないマウスと同じ結果が出ることが予想されてなんだか悲しくなります。
噛めないような歯並びの子供や、治療を怠って噛む歯がない部位が存在する場合はこのようなストレスを逃がす場が減っていることになります。

また、しっかりと噛むと歯に汚れがつきにくくなります。噛めない部位の歯には汚れがたまってきます。
お口の汚れ具合も、噛む、噛まないで大きく変わってきます。

80歳までに20本の歯を残しましょうという8020運動もあるように、高齢者がしっかりと噛める歯を持っているということは認知症を予防したり、誤飲、誤えんを招きにくくなるよう舌がよく動いたり、唾液がしっかりと働くなどの効果も期待できます。
口の中の汚れが細菌性の肺炎を招くとも言われています。
口の中が汚れないためにも歯をしっかりと使って噛んで、しっかりとお手入れをすることが高齢者にも大切なことになってきます。

しっかりと正しく噛むということは、とても大事なことなのだといえると思います。

2016-04-04 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

くいしばりのリスクについて

歯をぐっと噛んで我慢、などというふうに耐えてきたぞという方。
クレンチング症候群という言葉を聞いたことがありますか?
歯を食いしばる癖のことですが、ストレスが多くかみしめる方に多く発症する症状で、その結果は身体に大きな影響があることがわかってきています。

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実際、歯でぐっとかむときには自分の体重と同じくらい、平均50~60キロ程度の力がかかっていると言われています。
おせんべいを噛むときには50キロ、フランスパンをかじるときは30キロ、歯ぎしりをするときには80キロほどの力がかかると日本歯科医師会でも説明しています。
実際数字でみてみると、人間は毎日これだけの力をかけて何かを食べているなんて驚きですね。
一時的に食事でかかる力に関しては必要だとしても、ぐっとかみしめる無意識の時間が長く続いてしまえば、身体に大きなダメージが起きてきます。

その症状は結果どんなことが起きてくるのでしょうか。
たとえば、歯がこすれ合い削れて来たり、歯が折れたり、亀裂が入ってしまってそのヒビから知覚過敏が起きることがあります。
また、強い力を常にかけるために肩こりが起きたり、顎関節症を招くこともあります。
歯から歯の周りの組織にかかる負担から、炎症を起こしたり歯周病になったり、歯がぐらついてくることも予想されます。

クレンチング症候群という耳慣れない言葉ではありますが、このような症状になる前に早めのチェックをして対処をしていきたいものです。
クレンチング症候群にならない ように、以下の項目をチェックしてみましょう。

鏡で見たときに、上と下の歯のかみ合わせの部分がすり減って見えたり、平らになっていたりしませんか。
舌の脇の部分に、歯の形がついて波のようにみえませんか。
頬の内側、歯に当たる部分に白く見える線やなにか異変がありませんか。
歯と歯茎の境目に削られたような不自然な傷がありませんか。
あごの関節や、エラのあたりを押すと筋肉に痛みが出ることがありませんか。

このようなことが思い当たる方はクレンチング症候群予備軍の可能性があります。
もし思い当たる方は症状を感じるようになる前に予防をしていきましょう。
クレンチング症候群の予防のためには、首周りの筋肉や肩の凝りなどをほぐすよう心がけたり 、上と下の歯が触れていると感じた時には極力噛んだ歯を緩めてみましょう。
イライラやかみしめを分散するようにガムを噛んでみたり、かみしめているあごの関節や、口の中をマッサージするように緩めてみるのもよいでしょう。
噛み合わせを歯医者さんで見てもらったり、強い力を直接かけないようにマウスピースを作ってもらうこともよい方法です。
ご不明な点は日本橋グリーン歯科へご相談ください。

ストレス社会だと言われる昨今、このような癖や悩みとうまく付き合えるよう、早いうちに対処していきましょう。

2016-04-01 | Posted in デンタルニュースComments Closed