デンタルニュース

歯磨き粉の正しい量はどのくらい?

毎日のブラッシング時にほとんどの方が使用している歯磨き粉。歯磨き粉を使用することで、歯垢(プラーク)を落としやすくする効果があります。

みなさんは正しい歯磨き粉の使用量についてご存知でしょうか?
昔と比べ、歯磨き粉に含まれるフッ素量の変化などから、適切な歯磨き粉の量も変わってきています。

この記事では年齢別に適切な歯磨き粉の量と、歯磨き粉の選び方について解説します。

フッ化物配合歯磨剤の年齢別使用量

◾️歯が生えてから2歳まで
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉を米粒(1〜2mm)程度です。
歯が生え始めたら赤ちゃん用の歯ブラシと歯磨き粉を使用し、就寝前を含めて1日2回の歯磨きを行いましょう。

歯磨き粉を大人の方と同じ感覚でつけてしまうと、つけ過ぎになってしまいます。
必要量はごく少量のため、つけすぎないよう注意しましょう。

また、誤飲を防ぐためにも、歯磨き粉は子どもの手が届かないところで保管しましょう。

◾️3〜5歳
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉をグリーンピース(5mm)程度です。

この時期は乳歯が全て生え揃い、子供が歯ブラシを持って「自分みがき」を始める時期です。まだ上手に歯磨きができない時期なので、仕上げ磨きをしてあげましょう。

仕上げ磨きは永久歯が生え揃う10〜12歳ぐらいまで行うのが理想です。

子どもが歯磨き粉の量を適切につけられない場合は、保護者の方がつけてあげましょう。

◾️6歳〜成人
永久歯が生えてくる6歳以上からは歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が1400〜1500ppm配合されている歯磨き粉を歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)となっています。

フッ素の効果を得るためにも、うがいは少量の水で1回のみ行うことが推奨されています。
泡立ちのいい歯磨き粉を使用すると、しっかり磨けていないのにゆすぎたくなってしまったり、何回もうがいをしたくなってしまうことがあります。

歯磨き粉は泡立ちにくい低発泡のものを使用しましょう。

歯磨き粉の選び方は?

歯磨き粉は、中に含まれている薬用成分によって効果が異なります。
ご自身のお悩みに合った薬用成分が配合されているものを選びましょう。

虫歯の予防

虫歯の予防には、フッ素が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
フッ素には、歯を丈夫にする、虫歯菌の繁殖を抑える、初期の虫歯を改善する、という3つの効果があります。

歯周病予防

歯周病の予防には、殺菌効果のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、CPC(塩化セチルピリジニウム)が配合されている歯磨き粉を選びましょう。

知覚過敏対策

知覚過敏の症状がある方は、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが配合されている歯磨き粉を選びましょう。
硝酸カリウムは、歯の神経へ刺激が伝わることをブロックして、痛みの伝達を防いでくれます。

乳酸アルミニウムは、象牙細管と呼ばれる歯の神経に繋がる小さな穴を封鎖して歯がしみるのを防ぎます。

歯を白くしたい

歯の表面に着色汚れなどがついてしまい白くしたい場合は、TTP(ポリリン酸ナトリウム)が配合されている歯磨き粉がおすすめです。
TTP(ポリリン酸ナトリウム)には、歯の汚れを分解して除去する効果があります。また、汚れの再付着を予防する効果もあります。

まとめ

歯磨き粉の量は、たくさんつけたからと言って効果が大きいというわけではなく、年齢に適した量を使用する必要があります。

たくさんつけすぎることによって、しっかりと磨けた気分になってしまい磨き残しが残りやすくなってしまいます。

また、歯磨き粉は使用することによって歯垢(プラーク)を落としやすくなりますが、ご自身のお悩みに適した薬用成分が含まれている歯磨き粉を選ぶことによって、より効果的に使用することができます。

ぜひ歯磨き粉を使用する際の参考にしてみてください。

4学会合同のフッ化物配合⻭磨剤の推奨される利⽤⽅法【普及版】
(参考:2024-10-7)